投げキッスの別れ

思えば勢いだけで住み込んだ - asobook

繰り返しの中の変化 - asobook

 の続き。宿でのアルバイトの話。

最後、さくっと書きます。

 

お客さんは本当にいろいろな人がいました。

私が行った宿泊施設は、落ち着いた大人の雰囲気で、お客さんはマダム感漂う人や芸術家らしき人をよく見ました。どちらかと言うとご年配の方が多かったです。

バイク乗りの方や大家族や一人旅の方ともお話する機会も。

小さい子とおしゃべりしたり遊んだりすることもちょこちょこと。

f:id:koringoweb:20131206163612p:plain

スイスのアルプス行きを熱心に勧められました。行きたいです、アルプス。

 

私がここでできた一番大事な思い出と言うのは、一緒に働いていて仲良くなったAちゃん。

サバサバとしていて頭が良く、なんというか、野良猫のような子でした。

Aちゃんと一緒にいたのは少しの間でしたが、長年一緒に暮らしていたかのように仲良くなり、ご飯に行くのも観光に行くのも働くのも、どこにいるのも一緒。

二人ともキャピキャピした元気さがないので、黙って目も合わさずに横にいるような感じです。気が向いたら話すような。まるで熟年夫婦。

f:id:koringoweb:20131206165136p:plain

夜になると女子によるトークが炸裂するのですが、彼女は恋愛に関してとても肉食なところがあり、刺激的なことをポンポン話すので、私の経験してない世界だなぁと面白く聞いておりました。口癖は「食いたい」でした。

専攻している分野が少し似ていたので、そのことについて真剣に話すことも多かったです。というか、しんみりしてくるとそればかり話していました。

 

契約が終わって、Aちゃんとは電車の中で別れたのですが、何を話せばいいのかわからなくて、二人とも沈黙したままガタゴト電車に揺られていました。

Aちゃんが降りる駅に着いて去っていくとき、「ありがとう」と投げキッスをもらいました。一瞬の出来事で、すぐに電車の扉は閉まり、Aちゃんは見えなくなりました。

 

連絡先は全部交換したけれど、お互いの性格からして、きっと自分からは連絡しないんだろうなと、残された電車の中でぽうっと考えていました。

同じ場所で同じことをしていたけれど、また自分の場所に戻って、ふらりふらりと進んでいくのでしょう。

にほんブログ村 イラストブログ イラストエッセイへ

広告を非表示にする